概要
Googleが日本でドメイン取得サービスを開始!
Googleについてご紹介する必要はないでしょう。ご存じの通り、世界で最も有名な企業です。Google DomainsはGoogleが提供している数多くのサービスの1つに過ぎません。 Googleは経済力がありますから、どんなサービスでも提供できるのでしょうね。 そこで、独自ドメインを取得できるドメインレジストラを開始したわけです。ビジネスやプロ、Googleサービスの利用者が主なターゲットのようですが、あなたのニーズに応えることはできるのでしょうか? 今回、独自ドメインを購入し、テストサイトで設定してサービスを検証してみました。 ドメイン名やDNSの仕組みについて詳しくはドメインを分かりやすく解説したこちらのガイドをご覧ください。サービス内容
Google DomainsはすでにGoogleを利用している人にピッタリ
Google Domainsのサービス内容は他社のドメインレジストラとよく似ていますが、他のGoogleサービスと同様、エンジニアがデザインした印象です。分かりにくいわけではありませんが、サービスに人気が出ないとプロのUIデザイナーは雇わないのかもしれません。 しかし、欲しいドメインが決まっているのであれば、必要なサービスをすべて提供しているようです。ドメインを検索して購入するのは簡単ですし、URLのリダイレクト、メールアドレスのセットアップ、レンタルサーバーがSSLを提供していない場合は無料SSL証明書の生成などのサービスがあります。ネームサーバーを使って Hostinger や GreenGeeksにドメインを設定したり、Aレコードを書いたり、レンタルサーバーに独自のネームサーバーをセットアップしたりできます。 ただし、一部のサービスは有料です。WHOIS情報を非公開にしたり、Gmailで使用するためにGoogleでメールアドレスをセットアップしたりするのは別途料金がかかります。 独自のメールサーバーがある場合、無料でそちらにドメインを設定できます。ほとんどのレンタルサーバーは問題ないはずですが、Gmailのインターフェースを使いたい、[email protected]というメールアドレスを使用したい場合は有料となります。Googleサイト、Google Cloudプラットフォーム、G Suiteとの連携
メールアドレスを取得するのは有料ですが、他のGoogleサービスと簡単に連携できるのはGoogle Domainsならではの特長です。 Googleサイトでホームページを作成した場合、ドメインを設定するのは簡単です。まだサイトを作成していない場合はGoogle Domainsのダッシュボードから始められます。 Google Cloudプラットフォームで実行しているサイトやアプリにドメインを設定したり、G Suiteにドメインを連携したりするのも簡単です。もちろん、他のドメインレジストラでもできますが、手動で構成する必要があるので手間がかかるでしょう。DNSSECがドメインを保護
プログラマーでなければ分かりにくいのですが、簡単に説明するとDNSSECは暗号化のことで、ある方が有利です。 DNSSECを有効にすると、ハッカーがDNSスプーフィング攻撃(あなたのサイトではなくハッカーのサイトに誘導する攻撃)を仕掛けにくくなります。つまり、ハッカーがあなたに扮してサイトの訪問者を騙すリスクが下がるわけです。 ネットの世界でなりすましの被害に遭うのは嫌ですから、このような対策があるのは嬉しいものです。レポート
サイトに分析ツールをインストールしなくても、訪問者がどのようにサイトを見つけて利用しているのか分かったら便利ですよね。訪問者について詳しい情報を見るにはレポートが役立ちます。自動的にレポートを生成し、以下のような情報が分かります。- 検索結果ページにサイトがどれくらいの頻度で表示されているか
- クリックスルーはどれくらいか
- サイトへのアクセス獲得につながった検索クエリは何だったか
- 訪問者はどこから流れて来たか
- どんな端末でサイトを閲覧しているか
使いやすさ
プロ向けに設計されたサービス
ドメインを取得するには、ドメイン名を検索して購入するだけなので簡単です。支払いは主なクレジットカードに対応しているのでスムーズでした。 ドメインを取得した後は専門知識が少し必要になってきます。レンタルサーバーのネームサーバー情報を変更する方法を知っていれば問題ありませんが。 しかしGoogleの他のサービスで使用するためにドメインを設定するのは比較的簡単です。ダッシュボードからGoogleサービスに連携でき、日本語で表示できるので分かりやすいと思います。 私がこのサービスを試したところ、文句なしでした。Aレコードの設定方法を理解するのに少し時間がかかりましたが、初めて設定したからであり、Google Domainsの不備ではありません。ところが、サポートから助けを借りてある程度のところまで進んだのですが、残念なメッセージが表示されてしまいました。 ドメインの変更が適用されるまで最大で48時間かかるそうなのです。しかし実際にはそれより短時間で変更が適用されるはずです。Googleは大企業だからこのように時間がかかるのだと説明していますが、今回は30分程度で完了しました。 テストサイトの設定が完了したので(読み込みはかなり速いです)、今度はGoogleのカスタマーサポートを検証することにしました。サポート
Googleのサポートに問い合わせるのは今回が初めてです。10代の頃からGoogleの無料サービスは使ってきましたが、Googleのスタッフに問い合わせるということは考えたこともありませんでした。 「ここまで大企業だと相手にされないかも」と心配だったのですが、サポートの対応はかなり良かったです。 まず、Google Domains は比較的詳しいテクニカルガイドを用意しています。しかし、初心者が読むことを想定して書かれているとは言えません。ドメイン名についてある程度基礎知識がある人がGoogle Domainsについて知るための資料だと思います。 人間のサポートスタッフに助けてもらいたい場合、ダッシュボードからライブチャットまたはメールで問い合わせることができます。サポートの言語を選べるのは他社と違いますね。ただし、日本語ではメールサポートしかありません。対応時間は月曜から金曜午前9時~午後6時で、ヘルプセンターも日本語で表示できます。ライブチャット
ライブチャットのスタッフは素早く親切に質問に答えてくれ、回答はとても分かりやすかったです。Aレコードの設定方法が不安だったので、それについて質問しました。資料に、フォームフィールドの1つに@の記号を使用するよう書かれていたのですが、その理由が分からなかったのです。 サポートスタッフはAレコードの設定方法だけでなく、きちんとできたか再確認してくれ、@はショートカットだと教えてくれました。チャットサポートには大満足です。メール
メールサポートは今一つだったのですが、質問を誤解してしまっただけであり、スタッフの知識が不十分だったわけではありません。 ドメインを購入するとき、通貨を選べます。私はメキシコに住んでいるのですが、アメリカドルで表示したかったので通貨を変更したところ、地域も自動的に変更してしまい、チェックアウトでアメリカの住所を入力しなければならないというトラブルに遭遇しました。 そこで、地域を変更せずにアメリカドルで価格を表示する方法についてメールで問い合わせてみました。それに対する回答はこちらです。 返信では質問に答えてませんから、質問を誤解してしまったようです。それでもこのスタッフは役立つ回答をしようとしている様子がうかがえます。質問の答えは分かりませんでしたが、回答は役立ちました。少しがっかりという程度です。価格
他のドメインレジストラだと1年目は100円程度なのですが、Google Domainsは少し高価格です。しかし、見方によってはお買い得だと言えます。 他のドメインレジストラでは、プライバシー保護やDNSSECなどに追加料金がかかることが多いのですが、Google Domainsだとこのような特典もサービス含まれています。また、隠された料金もありません。他社だと、100円でドメインを取得できても、2年目以降はかなり高価格になってしまいます。Google Domainsのコストは一見すると他社より高く見えるのですが、長期的にはお得かもしれません。Googleの他の製品と同じくらい素晴らしい
Google Domainsは比較的シンプルなサービスで、予想を少し上回りました。とても便利なサービスを提供しているGoogleですから、Google Domainsも期待を裏切りませんでした。会社ですでにGoogleを利用しているのであれば、Googleの他のサービスと連携しやすいGoogle Domainsを選ぶのが合理的だと思います。 独自ドメインだけ購入したい場合は、Namecheapをお試しください。個人的には Porkbunもおすすめです。ちなみに、Googleは過去に、人気が出なかったサービスを終了したことが何度かありますから、その点に注意しましょう。Google Domainsが今後も続くかどうか確かなことは言えません。