どのテーマでも、Shopifyの全決済オプションが利用できるようになっていますが、レスポンシブデザイン、商品フィルター、高度なマーケティングツールなどの機能は全テーマに付いているわけではありません。 今回は、Shopifyのテーマを徹底検証し各テーマの違いを調査して、おすすめのテーマと避けるべきテーマをまとめました。テーマの機能性だけでなく、視覚的な観点やユーザーの懸念事項についても考慮してテーマを評価しています。(Shopifyの代替ツールもいくつかご紹介しています。あなたのニーズによってはこちらの方が合っているかもしれません。) テーマ以外の要素も考慮してShopifyを検討したい場合は、当サイトのShopify完全レビューをご参考ください。本記事はShopifyのテーマにフォーカスしたレビューとなります。
おすすめのShopifyテーマ
Shopifyには様々なデザインのテーマが用意されています。それぞれ個性が異なりますので、販売したい商品のイメージに合ったテーマを選びましょう! 例えば、デザインがミニマルなテーマには、「Vintage(ヴィンテージ)」、「Fashion」、「Modern」といった3種類がありますが、それぞれ異なる配色、タイポグラフィ、レイアウトが採用されています。 似たデザインもありますので、テーマを選ぶ際には必要な機能が備わっているかという点も考慮しましょう。フィルター検索で絞込んでみて、どのテーマもピンとこない場合は、各テーマクリックして内容を細かく確認するようにしましょう。 上記の点を考慮した上で、以下のおすすめテーマをご参考ください。Retina
Retinaは、機能性、柔軟性、デザイン性のすべてを持ち合わせたテーマです。Retinaには4種類の異なるスタイルオプションがありますが、いずれもビジュアルに優れたデザインです。 また、Retinaはマーケティング機能の面でも優れたテーマのひとつです。複数のブログレイアウトオプション、ソーシャルメディアアイコン、画像ギャラリーオプションがあります。Instagramフィードを追加することはできなくなりましたが、X(旧Twitter)に連携することは可能です。また、ブログにDisqusのコメント機能を設定することもできます。 Retinaはストアのカスタムプロモーションを作成することもできます。画像やテキストを追加して、セール、割引、新製品をお客様に簡単にお知らせできます。 ストアをニーズに合わせてカスタマイズするのも簡単です。Retinaでは独自のコンテンツブロックを設定でき、サイドバーをカスタマイズして、メニューから検索バーまで、さまざまな機能を追加できます。Retinaは、使いやすいだけでなく、顧客にも配慮した設計となっています。テーマはモバイル対応で、「クイックショップ」機能を搭載しており、訪問者は商品の詳細を閲覧し、既存ページを離れることなく、商品をカートに素早く追加することができます。 また、FAQ、Googleマップ、問い合わせフォーム、画像拡大、サイズチャート、お客様の声、動画、関連商品の追加も可能ですから、ストアコンテンツを充実させられます。Shopifyは、中規模の商品カタログを提供する企業にRetinaを推奨していますが、大企業でも十分に使えるでしょう。商品のフィルターやマルチレベルメニューがありますから、巨大なカタログでもユーザーが簡単にナビゲートできるようになっています。 Retinaテーマの難点は、価格がかなり高めであることです。約¥28,750($200)で、プレミアムShopifyテーマとほぼ同等の価格設定になっています。ですので、自己資金でスタートアップを立ち上げる場合は、少し高額に感じられるかもしれません。 またもう一つ気をつけたいことは、Shopifyの有料テーマはサードパーティの開発者によって作成されているということです。そのため、テーマに関してShopifyに直接サポートを依頼することはできません。 ですので、テーマを購入する前に、テーマのレビューは必ず確認するようにしましょう。なお、Retinaの開発元であるOut of the Sandboxは、カスタマーサポートについて高い評価を得ています。また、Retinaに関するサポート記事もあります。
Minimal
Minimalは、Shopifyで利用できる無料テーマの中でもおすすめ上位に入るテーマの一つです。マーケティング機能はほとんど付属していませんが、レスポンシブでカスタマイズも可能で、SEOにも対応しています。クリーンでミニマルなデザインはとても魅力的で、商品にフォーカスを当てています。 Minimalは、高解像度の画像、ホームページの動画、スライドショー、ズーム機能、関連商品などの商品画像関係の機能が充実していますので、ビジュアルが魅力的な商品や高性能カメラスキルをお持ちの場合は、Minimalが一番おすすめできるテーマでしょう。 Minimalは、ジュエリー、アート、カメラなど画像にこだわる必要のある商品に最適です。Shopifyも、家具、ファッション、アート販売ストアにMinimalを推奨しています。 商品のフィルタリング機能が付いており、ページレイアウトもすっきりしていますので、かなりの数の商品があるストアにも対応できます。テーマデザインは3種類の中から選択でき、必要に応じてレイアウト、タイポグラフィ、商品表示、ナビゲーションスタイルをカスタムすることもできます。さまざまなスタイルやサイズの商品がある場合は、ドロップダウンメニューやクリック可能なアイコンを商品ページに追加することもできます。Brooklyn
BrooklynもShopifyが無料で提供しているテーマです。Minimalと同様クリーンでベーシックなデザインですが、Minimalと比べて個性やスタイルがより強めです。 例えば、Brooklynは商品写真よりもブランディングやライフスタイルに重点を置いています(もちろん、商品写真のスペースも十分にあります)。 Shopifyは、Brooklynはモダンなアパレルビジネス向けにデザインされたテーマだと謳っています。クラシックバージョンのBrooklyn (上図)はクールで洗練されてた印象ですが、「Playful」バージョンはユニークなクラフトショップやヴィンテージショップにぴったりでしょう。 実際、このテーマを使用しているストアは、ケーキのデコレーションからニットのアクセサリー、ヨガマットまで、さまざまなユニークな商品を販売しています。また、Brooklyn はあらゆる規模の販売業者にも対応しています。商品フィルターやカテゴリーで整理しないので大量のカタログでも管理できますし、在庫が少ない商品は、動的な商品グリッドで目立たせることができます。 Brooklynは、高品質の写真レイアウトやイメージギャラリー、スライドショーや動画ヘッダーをホームページに配置できるなど、あなたのスタイルに合わせて柔軟にカスタマイズできます。また、ソーシャルメディアボタンやブログオプションも用意されているので、オンラインでのファン層を構築することも可能です。 【お得情報】BrooklynはプレミアムテーマのIraと似ていて、かなりお得です。Brooklynなら約¥28,750($200)も節約できます!Prestige
Brooklynは、ブランド力を引き立たせてくれますが、Prestigeは更にその上を行くオプションと言っても良いでしょう! テーマは、3つのデザインから選択でき、いずれもエレガントで高級なライフスタイルの雰囲気です。Prestigeはプレミアムブランドの宣伝用にデザインされており、ビルトインのタイムラインやホットスポットリンクなど、いくつかユニークな機能も用意されています。Prestigeは、大きな高解像度の画像用に最適化されているため、スタジオ撮影レベルの写真も使えます。また、Prestigeはパララックススクロール効果がある数少ないShopifyテーマのひとつです。プロモーション用のポップアップやバナーも活用できます。 パララックススクロール効果は、ファッション、アクセサリー、ジュエリー、美容製品などを販売する中規模〜大規模のストアに最適なテーマです。現在、ソイワックスキャンドルメーカー、高級フレグランスブランド、レザーシューズ小売店などといったストアがPrestigeを使用しています。なお、Prestigeはプレミアムテーマで、価格は約¥28,750($200)弱程です。
Envy
Envyは、あらゆる形態や規模のストアに対応できる多目的テーマです。モバイル向けデザインとなっていますので、特に若い世代の顧客を惹きつけたいブランドにおすすめのテーマです。 Envyは、ソーシャルメディア連携、お客様の声、ポップアップ、バナー、ブログ、FAQも備えています。ホームページのレイアウトは、プロモーションや新製品の広告に最適なデザインとなっています。Envyの開発元は、EnvyはSEOにフォーカスして構築された高速テーマだと謳っています。 Envyには4つのキレイな既製デザインが付属しています。ジュエリーや美容などのニッチな分野であれば、ほぼそのままEnvyを使用できるでしょう。しかし、そうでない場合でも、EnvyはShopifyのテーマの中でもカスタマイズオプションが多い方ですので問題ないでしょう。但し、Envyはプレミアムテーマで価格はお高めで、約¥28,750($200)します。避けるべきShopifyテーマ
一般的に、膨大な数の商品を取り扱う場合は、Shopifyの無料テーマでは役不足でしょう。また、読み込みに時間がかかるテーマもありますので、ビジネスの規模に関わらず、そのようなテーマは避けるべきです。Shopifyテーマを選ぶ際のポイントは以下のとおりです。 前述でも述べましたが、無料テーマのMinimalとBrooklynはどちらもデザイン性に優れており、小規模のストアにはとてもおすすめです。しかし、商品数が数百点に及ぶ場合は、プレミアムテーマの購入を検討すべきでしょう。Shopifyの無料テーマの中でもVentureとSupplyは、幅広い商品を取り扱うストアにも対応しており、Ventureは非常に見栄えが良いものの、カスタマイズオプションは限られています。また、Supplyの最近のレビューには、読み込み速度が遅いという苦情が寄せられています。 Supplyを使って構築された複数のストアに実際にアクセスしてみたところ、確かに読み込み速度が遅いとレビューは間違っていないことが分かりました。ホームページの読み込みに時間が掛かり、GoogleのPageSpeed insightsツールでも、特にモバイル端末からの読み込みが遅かったです。 読み込みの遅さは無料テーマだけに発生するわけではありません。プレミアムテーマのReachとArtisanも読み込みに時間がかかります。ユーザーの満足度やサイトのSEOにも悪影響を及ぼしますので、読み込み速度が遅いテーマは避けることをお勧めします。
好きなテーマが見つからない場合は?
もし、ニーズに合ったShopifyテーマが見つからない場合や、コストを抑えたい場合は、他社のウェブサイトビルダーの利用を検討しても良いでしょう。Shopifyの代替サービスであるWix やWeebly は、無料でテーマを提供しており、より安価な利用プランも用意されています。Wixは品揃えも豊富で、オンラインストア用テンプレートは100種類以上あり 、「子供・ベビー用品」から「家電」、「書籍・出版社」まで幅広いカテゴリーから選択できます。Wixはドラッグ&ドロップ式エディターを採用していますので操作もしやすく、日本語を始めとする多言語に対応しており、各テンプレートはカスタマイズや編集も簡単です。なお、ストアフロント、カート、チェックアウトなど、サイトのあらゆるページを自由にカスタマイズできます。 さらに、最近、Wixはデザインの柔軟性に加えて強力なeコマース機能を提供し始めました。オンラインストアに必要な機能をすべて揃えた一括ソリューションと言えるでしょう。実際に、家具とハンドメイド化粧品向けのWixの人気テーマ2つを試してみましたが、どちらのテンプレートも、特定のニッチに合わせて簡単にカスタマイズできました。